英数学館中学高校の学校説明会に

 出席した感想。
 校長・・・昨年から校長を勤めているそうだ。よくコロコロかわるよね。なんと今年度は、小学校、中学校、高等学校のみっつの校長を兼務すると言う。耳を疑った。よほどの教育哲学をもち、豊富な教育実践の経験があり、教職員に対する圧倒的な統率力がなければ、無理な話であろう。僕の個人的な印象では、どうも形式的な存在にみえた。トップリーダーがその組織の活力を決定する、という大原則を考えると、はなはだ危うい。
 副校長・・・ということで、副校長が実務派として重鎮をなすわけなのだろう。能弁である。いかにも客観的に率直に語ろうとしつつ、肝心なところは、主観的楽観論にすりかえ、ぼかして通るところが、目立ったのは、一昨年と同じ。(昨年は出席していないのだけれど、たぶん同じだったろう)
 生活指導の先生・・・「挨拶」の話をされていた。「生徒が立ち止まって挨拶をするようになった」とか「生徒の挨拶の声が大きくなった」と、受験に限らず、子どもには「人間力」が必要で、「挨拶」はその基本であるというご意見は、しごくごもっとも。で、どうしたの?というところで、お話が終わった。
 進路指導の先生・・・この春、岡山大学に現役合格した生徒をいかに指導したか、熱弁をふるわれた。私的な体験を情緒的に語ることと、学校の進路指導のあり方を客観的に説明することは違うのではないか、という違和感を抱かざるを得なかった。
 中学部長・・・学校説明会デビューだそうだ。それって何か意味あるの?と思った。三年前、英数学館に来て、「まったくゼロからとりくまなければならなかった」そうだ。基礎テスト(?)で、成績の向上した生徒の保護者に報告すると、保護者が泣いて感激したというエピソードを披露。どこかの教材会社の配布する塾経営マニュアルに、似たような話があったよなぁ、と思ってしまった。ただ技術を教えるでけではダメで、いかにトレーニングしなければならないか、いかに基礎体力部分、つまり基礎学習方法から取り組まなければならないか、野球の盗塁をたとえにして自信たっぷりのお話。子どもや保護者向けの場なら、「ほぅ」と感心されたかもしれない。自分以外の教師は塾屋も含めてみな教え方がヘタクソに思えて仕方ない、子どもはどいつもこいつもできない奴らに見えて仕方ない、そんな印象が言葉の端々ににじみ出ていた。偏差値60、50、40の生徒を一人ずつ送り込んでくれ、一年間でどれだけ伸びるか、みていただきたい、という要求が最後にあった。少なくとも僕には、共感と信頼をよぶ言葉には聞こえなかった。
 特訓の先生・・・よくわからないポジショニング。どうやら国公立大学の合格者数を増やすためのチームリーダーの役割を担うらしい。が、しかし、何をどうするのか、という具体的なビジョンを語るだけの準備はしていなかった。直前の中学部長の話とも関連性が薄く、中高の連携がうまくいってない印象をもった。
 せっかく小・中・高とそろっているのだから、12年計画で、理念を練り上げ、方針を徹底し、独創的な取り組みにも果敢にチャレンジしていけば、他を圧倒する特色豊かな学校になるだろうに、と思った。中学でおこなっている「福山学」の冊子には、その可能性を感じさせる取り組みがあって、もっと時間をかけて掘り下げていけば、英数学館の教育の柱にさえなるのではないか、と思った。現場の先生方の実践がぐっとひとつにまとまる求心力があれば、小規模中堅の学校としての未来がみえてくる気がする。