時間とともに

 うまくいかなかった子たちのことが心に深く大きく沈殿し、気持ちが萎えていくのがわかる。
 中3、ヤギさんチームの数学演習前、
 「先生、目が死んでますよ」と中3のイタズラ小僧が突っ込みを入れてくる。
 「バカヤロウ!コーラ買って来い。黒ウーロンじゃねぇぞ」とまったく理不尽なリクエストをして逆襲。
 彼らは、ゲラゲラ笑いながらコーラと黒ウーロンを買ってきた。
 内心、彼らに感謝しつつ、コーラを飲んで気分一新、授業を始めた。

 岡山白陵を受験してきた子が、
 「国語の時間に先生からもらった合格鉛筆が机から落ちた。それがショックだった」
 という貴重な教訓をくれた。余分なものは持っていくな、と次回から念を押そう。

 ファイナルアタックは、国立大学二次試験の数学と英語。確率の問題と英文和訳。数学は発想がわかない、とこぼす。いきなり質的転換を求めてもだめ。まず、演習量を増やし、その中で発想を鍛えていくしかないことを説いた。英文和訳は日ごとに上達していく。見事な成長。国語が弱いことを理由に、学校の先生からは「駄目だし」を食らっているだけに、一泡ふかせてやりたい。みていろ、コンチクショー。

 明日も朝からファイト。
 今晩、悲嘆にくれて沈み込んでいる子たちが、明日の朝は少し元気になって、ちょっと立ち直ってくれたらうれしい。まだチャンスはある。これしきのことでくじけてはならぬ。可能性がある限り、全力を尽くそうじゃないか。すべての責任は指導した僕にある。失敗した君たちの力量が不足していたわけじゃない。僕の指導力がお粗末だったということだ。だから、君たちは落ち込む必要はない。いや、落ち込んではいられない。まだこの三日間でできることはたくさんある。その気になれば、三ヶ月分の学習ができる。勝負は下駄を履くまでわからない。あきらめ悪くしぶとくやり抜こう。