中2の理科

 オームの法則。まぁ基本である。並列回路の合成抵抗の式まで。並行して小6のクマさん再テストユニット3名の面倒をみる。「再テストさせてください」、とリクエストするので、内心、「本当かよ、昨日の今日で、もう完璧に覚えたって?そりゃ無理ちゃうの」と、思ったけれど、意志を尊重して、実施、案の定、基本重要語句すら曖昧で、誤字もいっぱい。「何考えてんだ、どういうつもりなんだ、合格できると思っていたのか」と聞くと「ハイ」と、いけしゃあしゃあと悪びれずに答える。「ふざけんな、なんだこのざまは、大化の改新も書けてないじゃないか」と問い詰めても、プッとふくれてぜんぜんこたえてない。いや、こたえているのかもしれないけれど、まったくもって厚顔。そこが、ガキっぽくて愛すべき点でもあるのだけれど、学習指導上、稚拙な自己認識力を看過できない。一体全体、何かを完璧に覚えるってことがどういうことなのか、まったくわかっていないんじゃないか、それらしいことをやっていれば許されるっていう甘えにどっぷりつかって、疑うことを知らない。と、言いつつ、完璧な受験生がいるわけじゃなし、僕だってろくでもない小学生だったことを思い返せば、一方的に責めるわけにもいかない。根気よく、どうすれば、完璧に覚えられるか、自由に知識を使いこなせるか、手取り足取り教えていこう。
 中2も、再テストが4名。18問で満点取る生徒もいれば、3問しか解けない子もいる。聞けば、問題文の意味が分からなかったとか、、、、はぁぁぁ、、、何だそれ?日本語で書いてあるぞ、と思ったけれど、回路図があるのに「回路図上の点Rを流れる電流」という表現が、どうやらピンとこないらしい。彼らの日常生活と語彙の遥か彼方に浮遊する表現で、どうしていいかわからないで自滅したようだ。
 結局、残して間違いなおしをやらせてみると、あっさり慣れて、問題は解決してしまった。なんじゃろねぇ、初見問題過剰恐怖症、と名づけるしかないのかしらん。原理原則さえ押さえておけば、いくらでも応用できるだろう、と考えるのは、大人の悪い癖で、原理原則の完全理解と豊富で多様な問題演習が密接不可分であることをあらためて認識。たとえ使う公式はひとつでも、使いこなせるようになるには、色々やらないとあきまへん、と、頭ではわかっているのだけれど、どうもね、コストパフォーマンスの低い問題演習を地道にやらせるには覚悟がいる。