みたび、来た!

午後5時
 本日は、7名の保護者の方と懇談があった。その間に、新中1の入塾案内一件、教材会社のK社とI社、宅配便と、大賑わい(?)であった。チェーンソー片手にフルフェイス・マスクのジェイソンが現れてもおかしくなかった(嘘)。
 4、5年生が02、05に分かれて漢検に集合。「俺は受かる」「俺は合格するぞ」、とカッシィが口にしているのを引き取って、「そうさ、テストを受けるときは、『ナルシスト』の『俺様』になれ、『絶対合格するんだ』って思ってやれ!」と情念的に煽って、「ようし、一本締めだぁ、いよぉーォ、PAN」と、両手をうって漢検を始めた。こんな盛り上がりスタートは初めてだったけれど、なかなかよかった。

午後6時
 漢検を受験した子らが退室。5年生男子が3名ほど残って自主勉強。なかなかタフでよろしい。
 
 小6のクラスでは、授業前、昨日、市立福山中に女子1名がひとり繰り上げ合格になったことを報告し、みんなで拍手し喜び合った。そして、市立福山中の繰り上げ合格の告知期間が来週月曜日まで、ということをさりげなく、そして、重く確認した。
 授業メニューは無理もなく無茶もなく、きわめてオーソドックスに淡々とすすめた。数学は正負の数と累乗の計算。英語はいよいよThis is〜 の文。文法のルールをひとつひとつ確認しながら、とにかく発音練習、読み方練習を繰り返した。

午後6時50分
 小6の授業終了後、帰宅コールをする、ある男子の周辺がにわかに騒々しい。本人が、「えっ、嘘、ホントニ?」と念を押す。その周りで、「受かったんじゃ!」「繰り上げじゃ!」「市立じゃろ?」と黄色い喚声が飛び交い、わけがわからない。わけがわからないけれど、「合格」という聞き捨てならない単語が矢のように僕の心に突き刺さり、平常心が砕け散る。
 「何だよ、どうしたんだ、受かったのか、どうなった、ええぇい、はっきりしろ、どうした?何があった?」と子器をもつ少年につかみかからんばかりに詰め寄ると、「市立、繰り上げ、補欠です」の言葉、まだ信じられないようなキョトン顔。無理もない、実力相応の私立中入試に失敗し、無念やるかたなく、背水の陣で特訓を行い、乾坤一擲市立福山中にアタックをかけ、ものの見事にシャットアウト。沈みきってこの二週間あまりを過ごしてきたのだ。いきなり第一志望に合格した、と言われても実感が湧かないのは当然だろう。
 しかし、「来た!」のだ、ついに。
 今期、二人目の繰り上げ合格者、通算5人目の市立合格者が誕生したのだ。01教室で狂喜乱舞した。「やったぁ。バンザーイ!」とはしゃぎまわり、本人の肩をどつき、腕をたたき、腹を押し、「それ、みんなで万歳だ」と周囲の生徒をまこんで高らかに万歳三唱した。02教室の中学生も、05教室の高校生もすぐに事情を理解したのだろう、みんなニコニコ顔で見ている。予想だにしなかったサプライズ、でもいかにもLECらしいハプニング。
 きょうまで、この子にあともう一つ中学校を受験させておかなかったことをどれほど悔やんだことか。ひとつでじゅうぶんと判断したのは、僕のミスであった。念には念を入れるべきであった。軽率だったと思う。私立中入試に失敗したあと、ガムシャラに適性検査対策に取り組み、苦手な作文練習をとことんやりぬいたことが大逆転劇につながったにちがいない。ご家族の方々には無用な心配をおかけした。結果的にサプライズがあったからよかったものの、もし、この繰り上げ合格がなければ、お詫びの言葉もなかった。
 2008年の新機軸として適性検査模試の導入、附属チームと市立チームの分離、適性検査問題の反復演習といろいろやってきたことが、少し役に立ったような気分にやっとなれた。ほんのちょっぴり自信が湧いてきた。
そうは言っても、10人受験して5人は不合格のままだから、あまり大きなことは言えない。冷たい雨の降る今夜も、切なくなるような思いで、ひょっとして自分にも繰り上げ合格がくるんじゃないか、と思っている子たちがいるのは確かなことだ。

どうか、その子らにもいいことがありますように。
  

午後10時
 英検準2級対策(中2女子)、「いいかい、君の発想はたいへんいい。だから逡巡するな、度胸よく答えてしまえ。絶対はずすことはないから」とアドバイス。完璧な答案を模索するあまり、解答時間が必要以上に長引く傾向を指摘した。
 国立2次英作文対策、元ネタは竹岡広信先生のテキスト。まずまずの反応であった。なんとかなりそう。FIGHT!FIGHT!FIGHT!

午後10時35分
 明日も頑張ろう、頑張っていればいいことがある。
 バットは振らなきゃボールにあたらない。打席に立っているのなら、どんな剛速球でも、どんな魔球であっても、とにかく振れ、恐がらずにしっかりと目を見開いて、ボールをたたけ!