OUT OF LEC

漢字テストの再テストをしなければならないはずの小6男子が、机の下で「ドラえもん」の学習漫画を盗み読みしていた。一度はやんわり注意した。二度目は怒りを抑えられず、遂に宣告「OUT OF LEC!」
その後、休憩時間に03教室にいたT君が、「先生の怒っている声を聞きながら、ああLECだなぁって思いました」と、笑いながら語る。さもありなん。
塾屋の日常は、たぶん、子どもらの非日常になるのだろう。子どもらが、LECコードに従って行動するには、きわめて高い意識が必要になっているようだ。
子どもを鋳型にはめ込もうとする気はさらさらないけれど、士気を鼓舞し、規律を求め、集団行動を要求している矛盾に、以前より鈍感になっているのは確かだ。僕の独善性が色濃くなっていることを僕は時として忘れる。それでも、僕と子どもらに共有するべきミッションが明確に意識されていれば、二律背反の瀬戸際に立たされても、おそらくきわどく破綻は免れるだろう。もし、共有されていなければ、きょうのような激震が走る。
さて、しかし、彼はまた前とおなじように、何食わぬ顔をして帰宅し、何食わぬ顔をして、またやって来るのだろう。
受け入れるのは簡単だが、問題は、受け入れ方になる。宿題をもらったつもりで考えることにする。