2010年度 スタートしました。

3時前に入室。さぁて新年度なんだから掃除でもしようか、と思っていたら、中3、Eさん登場。「イオン」の解説、ボルタの電池から塩化銅水溶液の電気分解まで。1時間ほどのレクチュアで標準理解には到達した。

新小6 9名編成になった。前年の二分の一のサイズ。スモールサイズになった分、よりいっそうきめ細かくやっていきたい。初日のきょうは自己紹介から。実力差は予想通りで、二極分解をどう統合していくか、課題は深く広い。

新中2 1名増えた。試験中の生徒は試験対策。試験終了後の子たちは、連立方程式を練習した。そそっかしい計算ミスの乱発を防ぐ手立てを工夫したい。

新高校中級数学 みんな試験中だった。

■ 英検、2次受験者、全員合格か。
 塾で受験した生徒の合否をネットで確認した。
 2級 高2の再挑戦者2名がすんなり合格。前回の不合格がまだ納得いかない。
 準2級 高2・1名、高1・1名、中3・1名、中2・1名が合格。 中学生はともにふつうの公立の子が合格したことにおおきな意味がある。
 3級 中2・2名、中1・2名が合格。中1、2名のうち1名は公立の子。よく努力した、と思う。
 学校受験で、きょうネット確認できなかった子たちが数名いる。たぶん、大丈夫のはずなんだけれど、、、どうかしら(笑)

■ 村上の娘、受験顛末、その1
 先日、16、17日、塾を休んで付き添いをしてきた、慶應義塾大学・経済学部受験始末記。
 センター以後、娘は国立大学の2次試験対策に没頭していたので、慶應の赤本に初めて手をつけたのは、東京行きの新幹線の中、という掟破りの段取り。英語・数学・小論文という科目は知っていたけれど出題傾向も出題形式も何も知らない。とにかく、東京で優秀な生徒達に混じって入試を体験し、その雰囲気に触れることに意味を求めていたらしい。(塾屋の娘ならもう少し計画的にやれよ、と思ってしまったけれど、黙ってみていた)
 しかし、新幹線の窮屈な座席に、前かがみの姿勢ですぐに気分を悪くしてギブアップ。お昼ごはんにホテル近くのレストランで好物の「しゃぶしゃぶ」を食べて蘇生したものの、当然、受験会場の下見をする余裕はゼロ。チェックインしたあとは猛烈な勢いで昨年の問題に取り組んでいた。触らぬ神に祟りなし、と、村上はホテル17階のラウンジに居座り、夕闇迫る東京の街並みを見ながらイヴニングサービスの(ワイン→ビール→ワイン)をあとさき考えずに飲んでいた。見事にできあがってしまった。部屋にもどると、英作文の添削を頼まれたけれど、酔った勢いでテキトーにすませて、さっさと寝よう、ということになった。が、なぜか寝られない、娘も何か興奮気味で、ぐちゃぐちゃ話をする、まったく無意味にぐちゃぐちゃ応答しているうちに、村上は勝手に眠りに沈んだ、らしい。記憶がない。
 ところが、目覚めると、娘が超不機嫌。なんでも村上のイビキで、ひと晩中ほとんど寝られなかったとのたまう。「あそこまでとは思わなかった」とだけ言った。「どうしてくれるんだ」と顔にはかいてあるけれど、さすがに口にはしない。ぶすっとしている。「すまねぇ」と詫びてはみたものの、やっちまったものはしかたがない。次は部屋を二つとろう、と話をすりかえた。
 ホテルからタクシーで三田キャンパスまで15分ほど。東門で別れた。振り向きもせず娘は受験会場に消えた。なるようにしかならないし、どうせリハーサルだし、受かっても手続きしないし、と「イビキをかいた」罪悪感を払拭しながら、渋谷をあてどなくうろついて時間を潰した。疲れた。
 試験終了時刻ちょうどに迎えにいったけれど、予想通りなかなか出てこない。20分ほどしてやっと出てきた娘は、かなりリラックスした雰囲気だったのでほっとした。「去年と傾向がかなり変わっていた。下手に過去問研究にはまらなくてよかった」と自己正当化めいたことをブツブツ。睡眠不足はトラブルを招かなかったようで、村上は大いに気をよくした。タクシーを拾って品川駅まで直行して帰宅の途についた。
 発表はきょう。村上が所用があって外出先からもどった正午過ぎ、リビングにはいると「受かってたわよ」という妻の笑顔。国立前期の試験後、完璧な腑抜け状態に陥っていた娘は、「前期試験が終わって、体中の潤いを喪失し、干し蛸になっていたけれど、やっと全身に水分が満たされた気がする」というシュールな発言をした。素直によろこんでいたので、「おまえは蛸か」というツッコミはしなかった。
 きちんと対策を採らなかったことがもっぱら話題になって、前夜の「イビキ」事件が蒸し返されなかったことを喜んでいたのは村上だけだった。結果次第では、宗教裁判、異端審問さながらに、村上が断罪されていたであろうことは明白であった。