積乱雲をいくつもみた

西の空の彼方、もくもくと積乱雲が立ち上っていた。ゆっくりと見とれる暇もなく、せわしなく仕事をした。
サプライズがあった。15年前、中学入試を指導した生徒が、すっきりさわやなか女性に成長して現れた。聞けば、近くの学校で数学を教えつつ、おうちでお稽古事のお師匠さんも勤めているとか。確かに算数はよくできた。小学生ながら卓抜な技術を披露した、お稽古事の発表会をリーデンローズに見学に出かけた記憶もよみがえった。もってうまれたマルチな才能を遺憾なく発揮して人生を謳歌する姿に深く感動した。
豊かな体験に裏打ちされた洞察力に富んだ識見にも大いに感銘を受けた。綾なす日常を屈託なく笑い飛ばすしたたかさも見事だった。
教え子たちはかくも立派に大きくなっている。
ああ老け込んではいられない。励まされ、勇気付けられた一日だった。