10月になった。

月が変わったからと言って、何が変わるわけでもないのが塾屋の仕事。ただ、センター試験の出願が始まった、と聞くと、少し緊張を覚えるのは事実。

誠之館高校の塾対象の学校説明会に行ってきた。ひょっとすると合格最低点の情報に接することができるかも、という淡い期待があった。残念ながらそれはなかった。どこかの塾の先生がかなり食い下がって質問されていたけれど、数字は公表しない、の一点張りでアウト。なんだかなぁ、であった。

いくつか、へぇーって思うこともあったので、無駄ではなかったけれど、あんな調子で学校説明会やっても好感度は下がるだけだろうなぁ、と他人事ながら心配になった。塾対象の説明会だったから、かもしれないけれど、中学生相手にやるときは、もっと聞くものの心に響く生き生きとした言葉と表現を工夫したほうがいいのではないかしら。ご立派な客観的事実を羅列しても、聞くものが恐れ入りかしこまるとは限らない。

学習意欲あふれる優秀な子どもを送り込んでくれっていうリクエストがあった。だったら、教務意欲あふれる優秀な教師がそろっていることをもっとアピールするべきだったろう。学校紹介のパンフレットに記載されているデータで納得する人はそれほど多くはあるまい。

学校に対する評価を決めるうえで、組織が残す数字も大事だが、個々の教師の人となりが示す印象はもっと大事だ。限られた短い時間であっても、聞くものを魅了する何かをもつ人が、熱く語る話を聞けたらなぁ、と思わずにはいられなかった。