「p***さん、今度の中間試験は5教科合計400点が目標だ、いいか」
「えっ、はい、わかりました」
「1教科80点平均だ。君って80点とれたら結構いいスコアだって思ってるだろ」
「えっ、はい、まぁ...」
「君の行きたい学校を考えたら、80点とれなきゃ、エラーなんだよ」
「へぇー」
「70点台はさぁ、なんでもないゴロをトンネルしたり、ファンブルしたりしてるわけ。『それぐらい普通に捕れよ』って君が思う球をお手玉する奴がいるだろ」
「はい」
「そういうことさ。60点台はさぁ、タイムリーエラーだね。『おまえのせいで試合に負けた』って言われるね」
「はぁ」
「逆に言うとね、80点取ったらシングルヒット。90点なら長打。100点ならホームラン。ホームラン打ちたいだろ?」
「はい、打ちたいです」
「じゃぁ、100点狙え。数学なら簡単だ、狙えるよ。しょうもない計算間違いしなきゃいいんだ」
「はぁ」
「君はさぁ、すっごく真面目。毎日塾に来てるし、黙々とやってる。だけど、目的意識が希薄なんだよ。紙に書いて机の前に貼っときな。80点取れなきゃエラーだって。君さぁ、守っててさ、『俺のところへ打って来い、どんな球でも捕ってやる。ファインプレー決めてやる』って思ってるだろう」
「ハイ!」
「それと同じさ。野球と同じ。がんばるんだぜ」
「ハイ!」
データ
日時 2011年 10月4日(火) 午後5時半ごろ
場所 LEC進学教室 02教室 右端の列 前から3番目の席
登場人物 塾長 村上 進(51歳 塾屋歴31年)
生徒 p***さん(公立中1年♂ 野球部 セカンド 塾歴7ヶ月)
状況 中間試験期間中
備考 p***さんは、9月学力テストで躍進。中学受験用の勉強をしてこなかったハンディを努力と根性で克服しつつあるところ。第一志望はいまだ坂の上の雲。でも、たぶん、彼なら、達成できる。素直に素朴に地道に励むことができるから。