中間試験の終わったある中学生がさっそく結果を提出してくれた。
5教科平均が86点だった。
本人は納得顔だった。
うーん、と思いつつ申告用紙の次回目標欄に目をやった。
「国語は85点以上!その他はキープ!!」とあった。
それを見て「ちょっと待てよ」と言った。
「『その他はキープ』はないだろう。英語も理科も90点を切ってんだぜ。キープじゃだめなんじゃない。もっと上を目指せ。私はもうこれでいいの、とか、ないんじゃないの」
「えっ、そんな無理を言うなって? もう私はこれで精一杯だから、これ以上はできない? そんなことあるもんか。そうやって、自分の上限を決めるから伸びるものも伸びないんだってば。もっと強気でビシバシやらなきゃダメだって」
ぬるい環境で自己満足しやすい状況にある子らが、無自覚に微温的な姿勢を保っていると、高校入学後、激変する環境に対応しきれず、持ち味を発揮するのがたいへん難しくなることが多い。
未来を構想する力を育て、あるべき自己の姿を追求させる過程で、自覚を促すことが、LEC的には、もっとも本質的な取り組み方だと思う。もっと社会性を養い、もっとダイナミックに自分の人生と向き合う力を培う指導をたゆまず継続することが必要なのだろう。
結果として、5教科平均90点は達成されるはずだ。
その逆ではない。
構想力を養うだけのはたらきかけができるかどうか。
ふさわしい言葉が的確に表現できるかどうか。
彼女の課題は、即、村上の課題にリンクする。
問題の所在は明らかだ。