赤穂義士?ギシギシ鳴る心

午前中はフロアクリーニング、いってみれば塾の大掃除だった。輝くばかりの床を見て、村上の頭の中もこれくらい光り輝けばよいものを、と老人性の愚痴がこぼれる。

ミスタ・ルイスがカープを退団する。野村新監督の来季の構想に早くも大きな亀裂が走ってしまった。大野投手コーチの悲嘆がしのばれる。そう簡単に代役を務められる外人選手は見つからないはずだ。さて、どうするのやら。

小6に最後のミッション・プランを提示した。怒涛の演習を組んでいる。今度はこまめにチェックして、最後の仕上げをきれいにまとめるつもり。最後の適性検査模試が返却された。完璧な二極分解、見事な跳躍力でぐんと成績を伸ばした子と、力不足がいっそう露骨に出てしまった子と大きく分かれた。論理的な思考能力が大きく点差を分けた。考える習慣を身につけ、物事を論理的に考えられるようになっている子が、高得点をあげていた。考える力をどう伸ばすか、村上の毎年のテーマ、いや永遠のテーマと言ってよい。突きつけられた課題は大きく重く鋭い。

今夜は高3の番外演習に高2男子2名も強制参加させ、5名でセンターの問題を解いた。道筋は明快でも強力な計算力が要求される問題で次々計算ミスに沈んでいく。集中力と工夫で防ぐ手立てを学ばせよう。

浪人生のT君との会話
「センターの受験票が来ました」
「よかった、で、受験会場はどこ?」
「それが、広島大学、、、」
「ええええ、東広島?現役の子たちは、福大や福短なのにねぇ。それって受験機会の均等に反するよねぇ、浪人イジメじゃない」
「そんなにたいへんですか」
「だって朝から電車乗っていくんでしょ、東広島まで、二日連続で、、」
「いや、それが、僕の知らない間に、親が東広島にホテルをとっていて」
「おおお!きたぁ、やるなぁ、おかあさん。愛されてるねぇ」
「いえ、父親の方が、、、」
「えええ!受験パパきたぁ!ちょっと感動したぞ、ウルッとくるなぁ」
彼は模擬試験の結果を一切親には見せていない、と先日ポロッと口にした。たぶんご両親のご心配は沸点に到達しているであろうに、静かに見守り、打つべき手をさりげなく抜かりなく打っている。尊き愛情、という以外に形容のしようがない。