工事 2

 順調に、予定通り工事は進む。

 思い切って断捨離の対象に選んだ蔵書は、段ボール箱13箱。4千円余りの査定とともに消えた。明日、残りの書籍がいくらになるのか知らないが、大した金額にはなるまい。四十年余りの歳月、ぼくの脳みそを刺激し、心を耕してきた本たちとのお別れはあっけないほど淡泊に、事務的に終わった。

 人にとって重要なのは、何を読んできたかではない。これから何を読むか、だ。人はこれから読むものによってどう生きていくか、変わるのだから。だから、読んだ本は手放せばいい。そこに未来はない。ただし、感傷が必要な人は本を大切にすればいい。それを止めるつもりはない。

 

 朝から工事をしていると、いろんな人がやってくる。

 感謝の言葉しかない。

 ありがとうね、みんな。