課題の3本のできは、1勝2敗。徐々に完成度が向上していることは確かだけれど、弱点は依然としてあって、書いて、講評、書いて、講評、書いて、という日々。
あさっては合格発表がひとつ。また、大学のホームページで受験番号を確認する形式。
正直言って、ホームページを見て、番号を探すのは避けたい。緊張する作業はできれば減らしたい。そう思いつつ、でも、まあ、彼女の都合もあるだろうと思って、尋ねた。
「番号をきいておいて、勝手に見てしまおうか、それとも、君が連絡をくれますか」
「...連絡します」と、彼女はじつにきっぱり言い切った。
潔く自分の運命に向き合おうとする見事な態度。どんなに不安を抱え、おびえていても、逃げ出すことなく、敢然と立ち向かう勇気をもった高潔な魂が凛としてあった。
教え子に教えられる。
なんと幸福な塾屋。
彼女に幸多かれ!