とても痛いできごとが

 同時多発。
 「まっとうな認識を得るには、小指一本失うほどの激痛を伴うものだ」と語ったのは高橋和巳、二十数年ぶりに、記憶の彼方から蘇る。まことに、取り巻く現実を正しく認識することの何と難しいこと。

悲の器―高橋和巳コレクション〈1〉 (河出文庫)

悲の器―高橋和巳コレクション〈1〉 (河出文庫)