移動性の高気圧は東へ去り

 夕方から雨。春はもうすぐそこまで来ているだろうに、春になりきらないもどかしさ。しかし、受験シーズンの終わりのはじまりは、まだ遠い。国公立大学の前期試験も、関西圏の私立大学の後期入試も、公立高校の選抜Ⅱも残っている。
 「不合格になる夢を見ました。しばらく、現実なのか、夢なのか、区別できなかった。お母さんには話せなかった」
 母は娘を気遣い、娘は娘なりに母を気遣い、長い受験の道のりをたどってきたに違いない。「合格した夢」は話せても、「不合格になった夢」は話せない。たぶん、全国津々浦々の受験生の家庭で、似たようなできごとがおきているのだろう。受験体験は、するどく親子のあり方をあぶりだす。どんな結果になろうと、親子の絆がいっそう深く結ばれ、感動と感謝の思いが共有される体験となりますように。