前回の捕捉 ケストナーとディズニーの幸福な融合

 ということで、今回は、ケストナーの原作「二人のロッテ」を下敷きに作られた「ファミリー・ゲーム」。
 前回、ケストナーの作品をドイツ人が映画化した作品を二つとりあげて、内容的にものたりないと指摘しつつ、ディズニーの作品を賞賛した。
 実に間抜けなことに、じゃぁケストナーの原作をディズニーが扱えばこうなるよっていう作品があることに触れて当然なのに失念していた。
 今までに二回観た。二回ともよかった。一人二役で双子を演じている子役の子が、べらぼうにうまい。深刻な場面は何一つない。誰も成長しないし、完璧な勧善懲悪で、一点の曇りもない。商業作品そのまんま。でも、観て終わったあとの爽快感は突き抜けている。ブンガク的じゃないかもしれない。でも、だからどうした。両親の幸せと、子どもの幸せが一致する心温まるストーリーをきちんと作ってみせられるって素晴らしい。こうした正統派の親子映画こそ、きちんとお金をかけてつくるべきだ、とあらためて思ったよ。
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