岡山白陵中学・高校の学校説明会

 に、いってきました。ただし、塾対象ではなくて、一般の保護者・児童・生徒のもの。

 教頭先生のお話。
 中学からの募集がメインであって、高校からの募集はあくまで補完的な位置づけである旨、強調されていた。たぶん、広島学院のような完全中高一貫校スタイルが理想なんだろう。次のような印象深いお話を力説されていた。
 「高校から入学した生徒が、中学から入学した生徒に追いつくことはありえない。最後まで差は埋められない。とは言っても、今春、東大に現役合格した13名の生徒のうち、5名は高校からの入学者だった。ただ彼らは塾で鍛えられて力をつけたタイプではなくて、もともと優秀な生徒だったので、高校三年間の学習を二年間でマスターする理解力があった。誰にでもできるものではない」
 さらに、質疑応答で、高校から入学した生徒と一貫生をどのような形でいっしょに教えるのか保護者から質問があった。
 「高校2年の時点で、一貫生の進度を止めて調節したこともあったけれど、、、」決してよいやり方であるとは思わない、そもそも、そうしたクラス編成の仕方が高校選びの基準になるとは思わない、適宜もっともよいやり方で行っていく、というお応え。およよ、そこまで言うか、と思ったら、さすがに、もうひとりの先生が、夏の補習授業のあり方などを上げて補足説明をされた。
 高飛車と言えば高飛車、率直と言えば率直。進路指導部長を6年務め、今年から教頭になられた経験を踏まえ、具体的な事例をあげながらされるお話に、よくある「営業的な美辞麗句」はなかった。その分、創立者の校是を説明する言葉に切れ味はなかったけれど、具体的な受験指導について説明するときは、有無を言わせぬ迫力があった。それをどう受け止めるかは、聞く人次第であろう。
 国公立大学の合格者数が、180余名の卒業生に対して130余名というのは一見凄い数字に映るけれど、現役生だけに絞り込めば70余名。浪人してでも難関大学を狙う生徒が数多くいることが原因だと推測するけれど、
 「結局、やらされている生徒は伸びない。学習することを自らの楽しみにできる生徒が伸びる」というお話から察するに、子どもらのモチベーションをいかに高めるか腐心しておられるようであった。精緻で強力な受験指導システムが下手に機能すると、生徒の自主性を蝕み、モチベーションの低下を招くという二律背反の状況が、ちょっと透けてみえた、進学校に共通の悩みであろう。
 もうひとりの先生が、「専願」、つまり、第一志望で受験することを受験者に求め、進路実績にとらわれず、岡山白陵こそ子どもの人間的成長にとってベストの学校である、という判断のもとに学校選びをしてもらいたい、という堂々たる正論を述べられたのは、自負のあらわれであると同時にまた、入学後の厳しい指導についての保護者の理解と、子どもらの自覚を求めたものと思われた。
 そうは言っても、福山から片道1時間半以上もかかる学校を「専願」にするのは難しい話。寮もあるけれど、寮生活は向き不向きもあるだろうし、、、。
 迷いますね、色々と。