中3の

 志望校を絞り込む話が、いろいろとあった。
 担任の先生からの宣告におびえ、おそれおののいている子、志望がゆれている子、まぁ、いろいろ、毎年恒例のお話。一発勝負を考えると、夜も寝られないという繊細な神経の少年に、「責任をとるのは僕であって、君じゃない。君は僕のいうとおり、勉強していればいいの、何も心配することはないの。」ということで、座標平面上の放物線と直線のつくる三角形の問題を特訓してマスターした。明日までに、英語の文法プリント10枚をマスターして来いって、課題をだしたけれど、ちゃんとやって来るんだぜ。本番で、頭真っ白になる恐怖感に打ち克つには、今、頑張るしかないんだから。
 
 「もう燃え尽きそう、推薦入試で絶対決めたい。二月の一般入試までとてももたない。」と大学受験生。無理もない、ここ数週間の追い込みはじつにタイトで隙がない。精神的にも肉体的にも極限状況であろう。
 「その思いが強ければ強いほど、土壇場で君を支える力になるだろうね。こんなこと、いつまでもやってられない!って思うから、みんな合格して終わりにするんだよ。」と、いささか学問のあり方からずれた返答をしたけれど、実感として伝わったはず。
 もうあと三日。マラソンで言えば、スタディアムに戻って、最後のトラック勝負に入ったところか。ここで競り負けるなんて、絶対できない、許せない、たぶん、そんな気分なんだろう。
 
 受験だ、受験。これが、入学試験だ。