塾にきて準備をしていると

 3:45に生徒(県立A高校3年男子)が現れ、学校で行われる夏の補習でどの科目を受講するか、という相談。「得意の数学は、塾で十分、この時間は苦手な現代国語をとるべきだよ」といった話をしていると、担当教諭が誰になるかわからない、という。

 塾近くの私立高校でもよくあるケース。学校主催の夏の補習をどうするか、担当教諭が不明で決めきれないことがよくある。相性はもちろん、教務能力も一様ではない以上、どの科目をどの先生が担当するのか明らかにしてから、生徒を募るべきだと思う。もし、担当教諭によって応募数が激減するようであれば、襟を正して反省するよい機会ではないか。教師側が鋭く緊張せざるを得ない生徒の率直な評価は、学校改革(教師の教務能力の向上)のよい契機になるであろう。「安心してお子さまをお預けいただきたい」という科白に恥じぬ指導システムを確立するべきだ。

 もうひとつ、彼と話をしていて義憤を覚えたことがある。
 放課後補習を学校が始めた。物理・化学は理数科・普通科混合で、理数科に在籍する彼には物足りない授業レベルになっている。日曜日には、一日6時間近くひたすら物理の入試問題を解きまくっている彼に、今さら力学の初歩から授業を始めちゃいけないね、学校側のあきらかな失態だと思う。もし補習がそもそも苦手な生徒のためのものであるなら、開講前に周知徹底を図って、生徒のモラールを低下させないように事前に調整しておくべきであったろう。そうした細かい配慮ができないところに、学校の「ヤル気のなさ」を感じてしまう。
 そもそも、別枠で募集した理数科と普通科の生徒を混合するポリシーがわからない。教員不足とも教室不足とも思えない。もし、時間外労働で生徒に細かい配慮ができないのであれば、潔く放課後補習などやらなければいい。体裁だけ整えた、有名無実、羊頭狗肉の受験指導は百害あって一利なし、生徒を信じて任せるべし。

 さらに、放課後補習を担当する教諭について「打率低いですよ、五のニぐらいですよぅ。優秀な教員を三年生に集中するべきなのにィ、、、」と嘆き節が続く。ふだんの授業には満足しているだけに、いっそう放課後補習に不満がたまるようだ。「物理と化学はもうやめちゃいな。その時間は図書室にこもって自習したほうがいいよ。担任ならわかってくれるだろう、きちんと相談しなさい。」とアドバイス、いや教唆(笑)した。