義父との将棋は

 中盤からもつれにもつれ、互いに敵陣深く切り込みあって、勝敗の行方はどちらに転んでもおかしくない状況だったけれど、猛攻をきわどくかわしきった僕が(途中、即詰みの手を義父が見逃してくれたおかげで)、寄せきった。やれやれ。病人相手にむきになるな、と妻からまたお叱りを受けた。