祝 合格!

 水産大学校 食品化学科 F君 おめでとう。

中学校1年からのおつきあいだったけど、あっという間だったね。中学入試を経験していなかった君は、最初のうち英語も数学も苦戦していてたいへんだった。でも、君はくじけなかった。くそまじめにNHKラジオの基礎英語を聞いてくれたおかげで、英語が得意科目になり、それにつれて数学も伸びた。1年間、ご両親はとても心配してくださっていた。

中学校の成績はぼちぼちだった。まじめに頑張っていたのになかなか結果にむすびつかなった。しんどい時もあった。それでも、君はしぶとく頑張りぬいた。しかし、残念なことに、今一歩およばなかった。高校入試で苦杯をなめた。村上の指導の失敗だった。

合格発表の日、君とお父様がおふたりそろって報告に来られた時のことを村上はたぶん一生忘れない。お父様は、どんなにかつらい思いをされていたろうに、微塵も動揺することなく泰然自若として静かに君に付き添い、丁重にご挨拶をしてくださった。
恥じ入るばかりの村上が、「この子はよくがんばりました。褒めてやってください」と申し上げたとき、「本当によくやりました。親の目から見てもよくやったと思います」と微笑まれていたことを思い出す。

そのお父様との辛い別れを乗り越えて、君は夢を実現してくれた。お父様にこの喜びを一緒にわかちあっていただきたかった。どんなにか君の成長を願い、どんなにか君に期待していたから。
天国で、きっとあの大きな笑顔でニコニコされていることだろう。

これからも君はまっすぐに誠実に生きていくことだろう。お父様の遺志を継ぎ、きっとこの社会に多大な貢献をする立派な人物になるだろう。


きょうまで本当にありがとう。

君の未来に幸多からんことを!