「先生!」と彼は言った。

 「この1週間は、15年の僕の人生でもっとも熾烈な1週間になると思います。どうかよろしくお願いします」。直立不動、まっすぐに僕をみつめて語る彼に、にやっと笑って、無言で親指を立てて突き出すと、彼は実に色気のある敬礼をして、「失礼します」と言って帰っていった。よかろう、君の受験を終わらせてしまおうじゃないか。第一志望をアルファ・ストライクで粉砕するぞ。