追いつめられた気分を何とかしたくて、ヘッドフォンを買ってきた。パソコンのハードディスクの中にコピーされた曲を聴きながら、仕事をした。
「さくら」(森山直太朗)
この曲を聞くと、僕はいつも特攻隊の歌だと思ってしまう。昭和20年、沖縄戦、菊水作戦で亡くなられた特攻隊の方々の鎮魂歌に思える。絶望的な状況の中で、生きようとしていた人々を思って、しんみりとしてしまう。入試直前の塾屋が悲壮感にとらわれてしまうと、こうした「軍歌?」に感動してしまう。
「栄光の架橋」(ゆず)
NHKで、オリンピックの曲として紹介されたときから、みょうに散文的な歌詞がいやだった。オリンピックの間もその作文調の言葉遣いが鼻について、好きになれなかった。「いかにも」というフレーズが多すぎて、こてこてのくどい印象が幼稚に思われた。
ところが、どうだ!きょうはそのこてこてのあくどい歌詞がすべてピタッとはまってくる。「なんてことだ、こんな少年ジャンプの漫画みたいな歌に、俺が感動している!」
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