直前まで、渾身の英語の授業をした。
彼がLECで受けたもっとも苛烈極まりない授業で、いっぺんの情もなかった。試験の前の日に、これほどハードな授業をしたのは初めてだ。
彼の臨もうとしている試験に甘さはいらない。おだても、励ましも有害無益だ。彼が死に物狂いで取り組まなければ、完膚なきまでに粉砕されてしまうことは、僕が一番良く知っている。魂の一番奥にあるパワーを発揮してはじめて、彼の望むものは手にできる。
彼が、彼の力で運命の扉を開くことを僕は信じて疑わない。
彼は「行ってきます」といって出撃した。
幸多かれ!