彼女たちも出撃した。午後8時59分。

 コロコロと健康的に笑い転げながら、あるいは、合格最低点を越えた採点結果を胸に抱き、中学三年の彼女たちも塾をあとにしていった。主観的には、英語の長文に、あるいは、数学の二次関数に、それぞれ弱点を抱えてはいるものの、客観的なデータ上は、一片の不安もない入学試験である。ふだんどおり、いつもどおりやってくれればよい。