小5の理科で、

 「カエルは、ナメクジやダンゴムシだって食べるんだぜ」って話でちょっと盛り上がった。「僕が子どもの頃は、日本ザリガニはアメリカザリガニをつかまえるためのエサで、その場で、殻を剥いで、剥き身にし、釣り針にさしてアメリカザリガニを釣っていたんだ」という、実に40年近く前の話をしてしまったのだが、小学五年生の児童たちを相手にすると、ほとんど「爺さんのノリ」じゃないかって思った。父が子に語る少年時代というよりも、祖父が孫に語る昔話に思える。「虫や小動物は、全て遊ぶための道具、カエルに爆竹を仕込もうが、セミの羽をちぎろうが、動物虐待とか言われることもなく、少年たちが大声で叫びながら泥んこになって走りまわっていた時代もあったのだよ」
 セピア色の風景にノスタルジーを感じるようになったら、精神の老化の始まりだ。思い出話をしそうになったら気をつけよう。まだ20年早い。