新しい事務機器を

 買った。どんなサイズの紙であろうと、装てんしてハンドルをスライドさせると、バインダーに綴じられるように穴があく。授業で使用したプリントを片端からバインダーに綴じていると、「先生、マイ・ブームじゃろ」と生徒に笑われた。
 そもそもプリントのファイルは大きらいで、大の苦手、あとで整理整頓しようとか思っていると、たいがいぐちゃぐちゃになって、わけがわからなくなっている。パソコンのハードディスクの中でさえ、下手をすると、ファイルがぐちゃぐちゃになる。いつの間にかフォルダが増えて、わけがわからなくなることがある。検索機能のおかげでどれほど救われているか。とにかくハードディスクの中に入れておけば取り出せるわけだから、なくなりそうなものは、全てパソコンに取り込みたい。できれば、カギや財布や免許証も入れておきたいくらいだ。
 というわけで、完璧なADHD(注意欠陥多動性障害)である。それなりに自覚して、自分は片付けることのできない人間なのだと思っていれば、片付けられなくても、整理整頓できなくても、それほど自己嫌悪に陥ることもない、ただ、事務作業を効率よく行うためには、何がしかの工夫は必要なので、できるだけ努力しないで楽にできるように、あれこれ試すことになる。で、日々の仕事が滞りなくすむ範囲内のことは、できるようになっている。とにかく、楽しんでできないと長続きしないから、高価なおもちゃとおもって、新しい事務機器を買うことになる。
 あたらしい周辺機器は、パソコンに携帯電話で撮った画像を取り込むのに買った。前から欲しかったミニSDのカードリーダー。いちいちメールに添付して転送していた手間が省けて嬉しい。これも遊び道具というべきか。
 新しい文房具は、テープのり、と赤・黒ボールペンとシャーペンが合体した2+1の多機能ペン。三色ボールペンは壊れやすくて大きらいだけれど、このサラサの多機能ペンは、頑丈で気に入っている。テープのりは、圧倒的に利便性が高くてよろしい。
 春になると、毎年、あたらしいものを買い込んで試したくなる習性は、小学校一年のときからぜんぜん変わっていない。いやになる。たぶん、この幼児性は、死ぬまで治るまい。