なんだか、欠席者が多くて

 冴えないよなぁ、とぼやいてしまう。
 いつも完全な状態で授業できるわけじゃないことは百も承知している。まして、これだけめまぐるしく天気が変わり、また、新学年で新たな環境に順応するべき過渡期にあって、疲労も大きく、体調を崩しやすいことは、よくわかる。
 しかーし、塾屋があまり物分りが良くなりすぎても、よくなーい。無理を承知で頑張らせる瞬間をできるだけ上手にアレンジしないと、受験の修羅場は潜り抜けられない。失敗しないように鉄板の上を渡らせるだけが、いつもベストとは限らない。下手をすると怪我をするかもしれないような、危ない綱渡りを時にやらせてみて、胆力を養い、度胸をつけさせることもあっていい。過保護に過剰防衛していると、それが標準になって、ぜんぜん無理のきかない子どもになってしまう。それは、その子にとって不幸なことだ。無理、無謀、無茶なことが許されるのは、子どものときだけってこともたくさんあるのだから。そして、もしうまくいけば、子どもは大きな自信をつかむことだってできる。チャレンジしないと自信は生まれない。どんな小さな機会もチャレンジしていく精神を大切にするべきではないか。
 雨に煙る通りを教室から眺めながら、そんなことを考えた。