僕が「海軍」or「海」大好き人間(それを否定する気は毛頭ない)だから、ということで、海の写真をわざわざ追送してきてくれた。ニース、コートダジュールの浜辺(画像タイトルは、「君に会えてよかった」)。
右端の湾曲して突出した岬を見ていて、デジャブに襲われた。どこかでみたぞぅ、と思うのだけれど、例によって曖昧模糊とした記憶の霧が晴れることはない。このひっかかりは何だろう、と、か細い糸をたぐっていくと、それは、たぶん、絵葉書のような長方形のイラストで、青と白を基調としたあたたかいスケッチで、、、、と、「アンアン」→堀内誠一! やっと固有名詞にたどり着いた。
娘が「かなりや幼稚園」の青バスに毎朝乗っていた頃、福山美術館で「堀内誠一展」をやったはず。天才イラストレーターでもなく、アートディレクターの鬼才でもなく、絵本作家としての彼を家族でふらっと観にいった。「ぐるんぱのようちえん」がお目当てだったような気がするのだけれど(ここも思い出せない、家人のカレンダーメモを見れば、何月何日だったか特定できるだろうし、その時買った絵本もわかるはずだけれど、生まれつきの怠け者である僕にそんなデータはない)、そこで初めて、堀内氏が「アンアン」の人だと知った。そして、おそらく、僕は、堀内氏のコードダジュールのスケッチをデザインした絵葉書を買った。それは、長くオフィスの壁にピン止めされていて、コートダジュールと聞くと、そのイラストが脳内にポップアップするようになった。その後、塾の引越しがあって、いつしか、その絵葉書も消え、記憶も崩れ、漠としたイメージが残っていた。たぶん、そういうことだ。
安!覚えているかい、僕はあの頃、まだ黄色の軽自動車(ホンダのトゥデイ 秘匿名称”T助”)に乗っていた。その頃、やんちゃな中学生だった君が、僕がいまだに手書きのイラストでイメージする場所の写真を実際に行って撮って送ってくるなんて、誰が想像できただろう。
- 作者: 西内ミナミ,堀内誠一
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