ご出席くださった保護者の皆様

 貴重な時間をありがとうございました。今のLECに何を加え、何を取り除き、何を掛けていくべきか、非常に有益な助言・提言・啓示をいただきました。
 懇談期間中、子を思う親の愛情にまさるものはない、と、お話をうかがいながら、何度思ったことでしょう。みなさん、必死にわが子のことを案じていらっしゃった。
 「お母さん、もう子離れ宣言してください。彼がどんな成績をとっても、お母さんの子育てのやり方や、育て方とはまったく何の関係もない。彼の人生は彼のものです。彼の成績に責任をとらなければならない者は、ほかならぬ彼自身と、彼を教えている塾屋ですから」と、複数の方々に申し上げました。
 自我に目覚めた子どもが、親の言うことを聞くはずがない。「どうしらいいのでしょう」と問われれば、「彼の成績を思い煩うよりも、ご自分の人生をより有意義にお過ごしください」と、いささかですぎた意見を申し上げたケースも何回かありました。十代の子どもたちの受験勉強を通して、母子関係が鋭く問い直されている今の日本の現状を憂うことは誰にでもできるけれど、健全かつ現実的な選択肢と言えば、いささか乱暴に「子離れ」をすることが、最も手っ取り早い、と考えます。
 もちろん、もっとデリケートに処理するべき個別の事情はありますが、最大公約数的にまとめれば、そうなる。
 「命令と指示ではなく、共感と理解を示し、互いに独立した個人と個人で約束し、信義にもとづいて、約束の履行を迫り、約束がはたされたら、ともにその達成をよろこぶ関係をつくりましょう」と、これもまた、複数の方々に申し上げました。
 「子どもたちの自己肯定感を大きく育て、数理的思考力と言語表現力と、そして自意識の成長が、均衡を保つようになるまで、待ってやらなければならない事柄は、焦らず待つしかありません。心身の成長がおのずと問題を解決することは、あたたかく見守るべきです」と、申し上げたことも何回もありました。塾屋になってほぼ27年。福山で独立してから15年。いろいろな子どもに関わってきた経験を踏まえて、私なりに考えてきたことをもとに、なるべく率直に述べました。上滑りな先取りをつつしみ、安易な類型化を避け、なるべくひとりひとりの子どもに即した指針を示したつもりですが、足りないところも欠けたところもあったと思います。不適切な発言もあったかもしれません。いまさらですが、失礼がありましたら、お詫び申し上げます。発展途上を名乗るには、白髪の目立つ歳になってしまいました。言い訳することもできません。つらつら思い返すに、恥じ入るばかりです。
 また、二学期に懇談会を催します。それまでに、今回お約束した義務をはたすべく、子どもたちとともに、この夏の講習を乗り切りたいと思います。よろしくご支援ください。
 あらためて、どうもありがとうございました。
 懇談会の終了をご報告申し上げます。