朝、民放系の番組(テレ朝・TBS)にチャンネルを

 あわせると、まだ「ハンカチ王子」をやっている。やれやれ、斎藤君も大変だ。夏枯れのマスメディアには、格好の話題提供ということか。平和なことだ。
 
 いまどきの、眉を剃りピアスをし、ズボンをずらし、チープなアクセサリーをジャラジャラ身につけ、どこかの駅前あたりで意味もなくウロウロしている子どもたちとは対照的に、丸坊主で、端正な顔立ち、ストイックに野球一筋で早稲田ブランド、丁寧な言葉遣い、志の高い夢、延長15回裏に時速147kmの速球をたてつづけに投げ込む体力と技術、そして全国制覇、完全無欠の高校球児というと、彼に失礼だけれど、マスコミが描き出そうとしているのは、まさにそうしたイメージ。まるで「理想の日本男児」を見つけ出したような扱い方。水色のハンカチを手にした若き救世主の降臨だ。
 まぁこれで、ボクシングで名を売っていた亀田某兄弟の影が薄くなるのであれば喜ばしい。しょせんマスコミの作り出す虚像なら、さわやなか方がいい。見苦しくない、聞き苦しくない映像の方が楽に過ごせる。マスコミののフィーバー報道はいつだって真実から遠いところにあり、電気紙芝居にかわりはないのだから。