朝から頭痛・悪寒・嘔吐感

 朝食後、絶不調で、鬱々として新聞も読めない。家人の分析によれば、3:30の合格発表を前にしたストレスが原因だという。否定する気力もなく、ナロンを飲むけれど、効かない。気がつけば「ハァー」。
「ルール違反でしょ。こっちが懸命にこらえているのに、その隣りで無神経にタメ息つくなんて」
まったく同意して、床に転がる。流れていたサラ・ブライトマンのベスト・アルバムを家人が消す。
「沈没はいやだ、こういうときはこっちでしょ」
タイタニックのテーマ曲を消して、娘のお気に入り「ローマの松」をかけなおす。
「この出だしって、「リボンの騎士」に似てるよね、チンクがこうラッパを吹いてるところ」
力なく同意。なんかよく似てる。けれど、確証はない。無敵のサファイア姫、両性具有?いや、違う、男装の麗人?そうでもない。あれは何を象徴していたんだろぅ、とぼんやり考えていたら、
「9:30よ、いいの?」
 促され、起き上がってのろのろとジャケットを着る。右目奥に突き刺すような痛み、喉全体が燃え上がっている。まるで敗残兵。クライマックスを迎える日、とは、とても思えない。晴れ晴れとして明鏡止水、いっぺんのくもりもなく厳かに一日が始まるはずだったのに、最低最悪の気分で、何も考えられない。

 塾についた、ごそごそとゴミを出し、モップをかけた。
とにかく、ここは、心意気、午前中にやるべきことは山ほどある。そいつを片づければ気分も晴れるかも。現在時刻は10:28.