児童用図書がまた増えた。

 すでに、十数冊も置く場所もなく、棚から溢れ机の上に積み上げられているのに、ドンドン書籍が増えていく。「エリザベス女王」の隣りに「福沢諭吉」が転がり、「ドラえもん」の学習漫画の上には「コナン」の学習漫画が、その上には「ちびマル子」が、ああぁぁぁ重なって、今にも崩れ落ちていくぅ。
 今回は、世界名作シリーズに舵を切って、「ロビンソン・クルーソー」や「十五少年漂流記」を加えてみた。古典というほどではないけれど、一度は定番の物語に目を通しておくことがあってよい。「ズッコケ3人組」のような、等身大の身近な登場人物がいつも出てくるお話ばかりでなく、奇想天外、想像力の限界を試される物語に翻弄されることがあってよい。漠然としたかたちであっても、世界の広がりを認識し、自分を相対化する糸口をつかむことは、深い思考力を養うきっかけになるはずだ。と言いつつ、苦笑する。ほんの単純な算数の問題ひとつ教えるのにも四苦八苦しているのに、子どもらの深い思考力を養おうなんて、いつからそんな大それたことを僕は考えているのだろう。思い上がりもはなはだしい。そう、本が前よりちょっぴり好きになってくれればそれでいい、本を読む楽しさが少し増してくれればそれでいい。