朝は雪

 百年ぶりにイラクのバクダッドに降った雪を、市民が歓迎している記事を先日読んだ。純白の雪が悲惨な現実を浄化してくれれば、という願いがこめられていたように思う。不吉な印象をもつのではないか、という先入観が見事にはぐらかされた。すがるような思いで未来を志向する人々の切なさが伝わってきた。
 今朝は、雪と言ってもみぞれに近い。積もることはないだろう。清浄なイメージには程遠い。むしろ雨といったほうがよい。その冷たい雨の中、傘をさして歩いてきた生徒もいる。あと2週間、彼らの闘いは続く。最終局面の苛立ちと緊張を屈託無く笑い飛ばして、LECの中学受験は沸点を迎える。