途中で気がかわった

 自転車でいったん帰宅し、自動車に乗り換えて塾に向かうことにした。携帯電話を家に忘れていたのが気がかりだった。再び青息吐息で山陽線の高架を越え、自宅にたどりつき、携帯電話を回収してそそくさと塾に向かった。予想通り、駐車場には僕を待っている生徒たちが数名。申し訳ないことだ。鍵を開け、暖房をつけ、段取りを確認し、即、マイメニューで演習を開始した。その後、三々五々生徒が集合。10時前にはフルメンバーとなった。
 外は次第に明るさを増し、天候が回復していることは誰の眼にも明らかだ。午後からは気温もぐんぐん上昇するだろう。穏やかな日和の中、解放感につつまれた6年生たちが帰宅する姿が目に浮かぶ。「終わった、終わった」の大合唱になることは間違いない。とことん楽しめばよい。それに値するだけの努力はしてきた。とことん蕩尽し、徹底的にオーバーホールすればよい。そして粛々と発表の日を待てばよい。人事は尽くした、天命を待つだけだ。