祭りのあと

中学生の試験はすべて終了。高校三年生の平常授業が粛々と行われる。5月10日に予定されている模擬試験を念頭に置いた演習をはじめようとすると、明るく笑う駐輪場の生徒たち。思わずドアを開け、帰宅を促す。兄たちも意味もなくだべる子たちだけれど、妹たちもまた、毎回楽しそうにおしゃべりをしている。彼女らに許される安楽さが、高3にはありうるはずもない。たぶん、そうしたマイルドな雰囲気を早く捨てたものから、夢により近づいて行けることを僕は知っている。五月の宵は、もう過ごしやすい季節だけれど、受験生が覚醒するには、いまだ生ぬるい。