晴れ晴れと、、、

昨日のこと、休養日だったので、家族三人揃ってTVで高校野球広島県大会準々決勝を観戦した。30年ぶりにベスト8に進出した地元の進学校のチームには、娘の小・中6年間の同級生が2人先発メンバーにいた。親近感もあって少し熱くなって応援した。
「あなたが応援すると負けるから黙って静かに見てちょうだい」、「TVからもっと離れてちょうだい」、妻から色々注文をうけた。相当うるさかったのだろう。
結局、強豪校相手に善戦むなしく逆転サヨナラ負けを喫してしまったけれど、先取点をとったヘッドスライディングや、ダブルプレーを決めた堅固な守備はすこぶる爽快だった。試合終了後、なぜか彼らの夏が終わるのに感傷的な気分にはならなかった。よくぞここまで、という賛嘆する気持ちの方が圧倒的に大きかった。
絵に描いたような「青春」を演じている彼らを見て、娘が「私の青春はどこにあるんだぁ」と自嘲気味に笑いながら言う。毎日、志望校の数学の入試問題に力戦奮闘し、もう1週間も家にこもりきり一歩も外に出ていない。だが、いたって意気軒昂、それなりに充実している毎日らしい。親の目から見れば、それもじゅうぶん立派な「青春」であるように映るのだけれど、断定するにはややためらわれた。「大学へ行けばいくらでもしたいことができるさ」と軽く受け流した。
コーシーシュワルツの美しさに感動し、一刀両断に問題を解く快感を覚えた夏が、やがて冬の試練に耐える力になる。届いた大学案内をめくりながら、大学生活に想いを募らせている娘の夢が叶うまで、「青春談義」は棚上げしよう。「何かおもしろい話をして」と言われたら、世界史の小ネタ(軍事史偏重)を披露し、「ここまでできたら芸術作品でしょ」とのたまう数学の答案を見せられたら、その点検をし、「思ったとおりに書いた」という和文英訳の答案を見せられたら、「キタネェ字だな」という一言は呑みこんで、その添削をしよう。
彼らの夏も、娘の夏も、そして塾の生徒たちの夏も等価に過ぎてゆく。

みんな、頑張れ!今を全力で生きろ!