誰だったか、牛肉の日だって教えてくれた

9月=苦月、10月=獣月、苦しんで獣のように闘う! と言うと、もう完璧な被虐趣味だろう、同じやるなら楽しんでやりたい。しかし、「にっこり笑えば必ず解ける!」と叱咤激励しても、「笑いっぱなしになってしまう」とか「超にっこり笑わないといけない」とか、小6も果敢に反撃するようになった。めでたいことだ。唯々諾々と盲目的に従う生徒より、現実を軽やかに相対化して、ユーモアでくるっと包む生徒らに成長と将来性を感じる。

小5の算数、文章題に230円のチーズケーキと300円のショートケーキが出てきた。
「皆さんはどっちが好きですか。たぶんショートケーキじゃないですか。
でも、中には、『どっちも嫌いです、みたらし団子がいい』、という人もいるでしょうね」
「どうしてそこまでわかるんですか」と見透かされてしまった少年が不思議そうに言う。
「アハハハ、ぼくは30年も塾屋をやっているんだよ。わかるさ、それぐらい。よく飽きないなぁって?ああ、君たちを相手にしていたら、退屈する暇がない。次から次へと色々やってくれるからね」
つくづく30年が一瞬に思えてくる。

一部の生徒がすでに中間試験対策に突入。レギュラーメンバーがきちんと揃うまでに3週間くらいかかるだろう。変則的な授業がつづくことになるけれど、正則だろうが変則だろうが、やらなきゃならないことは山ほどあるので、できることをできるときにできる限りやる、という柔軟対応戦略でいく。とにかく休まず塾に来ること。ひとりで部屋に籠もるより、LECの自習室!

今夜は栗原君(カープの4番)のサヨナラヒットで心が明るい。よかった、よかった。

「やっとおもしくなってきた」と言葉を残して最後の生徒が塾を出た、時刻は22:57。持ち時間があまりに少ないことはこの際触れまい。所与の条件の中で、よりよい選択をどれだけとり続けられるか、僕たちにできるのはそれだけなのだから。