夏、夏、夏、ココナッツ

夏しました、というわけではない。一日中教室の中に閉じこもって、時折窓から外を眺めながら、夏を感じていた、というだけの話。

ずーっと前に買い置きしていた「自民党戦国史」(伊藤昌哉)をふと手にしたら、やたらおもしろい。田中角栄というモンスターを軸に、権力に執りつかれた政治家達が、怨念と妄執の虜になって蠢くさまが活写され、あまりに醜い日本の政界を嘆く暇もなく、その世界にひきずりこまれてゆく。
幼い頃に得た日本の政界に対するわずかばかりの記憶(それは中学生のくせに熟読していた「週刊朝日」と「文藝春秋」から得た知識の残滓)が、妙に生々しくよみがえり、三木武夫氏のだみ声や、大平正芳氏の「あー、うー」まで久しぶりに思い出した。
たぶん、また30数年たてば、今回の小鳩政権の崩壊もそうした活劇のひとつになるのだろう。「政治不信の生み出す冷笑主義(シニシズム)はファシズムを生み出す、それが心配だ」と今朝の中国新聞に載っていた識者の意見を読んで、ぷっと吹き出した。
今の日本には、ファシズムすら成立しない。分断され、孤立した人々が共有する感情が民族的色彩を帯びるのはせいぜいワールドカップの時ぐらい。何の心配もない。だから、今以上に熱くなる必要はない。冷ややかに笑っていれば十分だ。

明日も長い一日。頑張ろう。