というわけでソルトレイク・シティー

今は、ユタ大学のゲストハウスのベッドの上。
ソルトレイク空港に降り立つと、娘が待っていた。三ヶ月ぶりの再会に妻は感動しきりだった。

授業の傍ら、市庁舎でインターンシップもしている娘は、大学生というよりはキャリアウーマン風の装いで、タクシーの手配やドライバーとのやりとりを聞いていると、留学7ヶ月、孤軍奮闘しながら鍛えてきたコミュニケーション能力の圧倒的なパワーアップがうかがえる。

つい先ほどのことだ。フロントにランドリーサービスを依頼する電話をかけた。ものの見事に中途挫折、娘に代わってもらった。受話器を取った瞬間、「お、親父の英会話、初めて聞くぞ」と挑戦的に言われて、「ふざけんな、このヤロウ、ドライクリーニング頼むくらいなんじゃい」と初めたものの完敗。ニャロメ。本場で鍛えられた娘に抗すべくもない。今にみておれ、帰国したら、ちょっといろいろやってやる。

娘に話すつもりのないことはいくつかある。

3日の夜、WEBからユナイテッド航空のサイトでチェック・インしようとしたら、座席が窓側になっていた。通路側に変更しようとすると、妻と離れ離れに登録されてしまった。何度修正を試みてもできない。挙句のはてに、チェックイン自体を根本的に空港のカウンターでやり直すようにリクエストされた。「何、これ、搭乗券を拒否されてるのかしら」「待てよ、ESTAでひっかかったか」疑心暗鬼で夜も寝られない。もし、空港で渡米中止ということにでもなれば、、、考えるだけで恐ろしい。
結局、「ああこういうことはよくあるんです。使用する機材が変更になったので」と、カウンターのお姉さん。

4日(日本時間5日)の午前、サンフランシスコについて、乗り換え時間を利用して、ケーブルカーに乗ってフィッシャーマンズ・ワーフへ行った。「カニを食べよう」とレストランでオーダーしたずなのに、なぜかshrimpをカニだと勘違いして、出てきたのは海老料理。妻の突込みが何時になく辛らつを極めた。

サンフランシスコ空港にもどり、あらためてセキュリティチェックを受けると、フィッシャーマンズ・ワーフで買ったお土産がヒット。置物の中に水が入っていたらしい。係官は、「このお土産がほしいなら、バッグに入れて空港カウンターで再チェックインしろ」とのたまう。捨ててもよいような10ドルもしない置物だったけれど、時間的に余裕があったので、空港カウンターまでもどって、現地で買ったトートバッグに一日分の着替えの入った袋の中にお土産をつっこんでクッションにしてつっこみ、、再チェックイン、再セキュリティ・チェック、妻を待たせたままにしていたので、息があがるまで全力疾走、きょうサンフランシスコ空港のターミナル3で駆け足で行ったりきたりしていた日本人は私です。

ソルトレイク空港について、バゲッジカウンターに行こうと、ガイドにしたがってエスカレータを降りるとそこは、セキュリティチェックのエリア。こりゃ間違えたと思って、もう一度エスカレータで元のフロアにもどったら、妻が「あそこに行けばいいんじゃないの」とおっしゃる。よく見ると、確かに下の階の右手のほうにエントランスのガイド。「アチャー、見落としたぁ」と言ったものの、妻は「やれやれ、またか」の表情。

細かいことまで言えば、もっとゾロゾロ村上の失敗談がでてくるこの珍道中は、明日から娘も加わりあと4日も続く。