準備、準備、準備

 事務作業がテンコ盛り。楽しんでやるしかない。
 掃除・収納のカリスマ主婦が言っていた、「片付け上手になるには、片づけを趣味にすればよいのです」。そりゃそうだ、と、思った、次の瞬間、無理だ、とも思った、そして、本当に無理かどうか、試してみろ、と思いなおした。
 しかし、何のために? 効率よく仕事をするために、気分よく働くために。自問自答が延々と続き、結局、趣味にはしない、でも、楽しんでやろう、ということになった。
 まったく、いちいち、つまらない理屈をこねながら行動するこの哀れさはどうだ、いくら基本原理が重要といっても度を越している。
 たぶん、きょうは調子が悪いのだ。午前五時、夢うつつの状態で、突然恐ろしい恐怖感に襲われた。「来る、来る、来る」という切迫感が押し寄せ、目を覚ましたら、ミシッと音をたてて部屋が揺れる。「地震だぁ!」と叫んで跳ね起きた。TVをつけると、震度5-、結構揺れたわけだ。
 その後、頭痛・悪寒・嘔吐の三点セットに襲われ、鎮痛剤を飲んで、リビングを歩き回り、シャワーを二回浴びて、トイレで三回吐いた。
 便器にうずくまりながら、思い出したくない映像が、何故か次々よみがえってきた。「こなんもの思い出したくない、見たくない、消えろぉ」と思いながら、喘いでいると、耳の奥で、モーツアルト*1が聞こえてきた。まさに福音だった。全神経を総動員して曲を追った。記憶の断片をつなぎあわせてエンドレス・ループをつくって、それだけ意識した。ほんとうに救われた。その後、ソファに横たわって朝食まで仮眠できた。 
 地震も恐いけれど、体の変調の方がもっと恐い。家人いうところの自律神経失調症、クーラーのあたりすぎ、ということらしい。幸い、対処法はわかっているので、変調が始まったら、いつもどおり手順どおりにことを運ぶ。とにかく終わらせればよいのだから、ひたすら待つ。今朝も、おかげで日常生活が始まる頃には、常態復帰して、支障なく日々の生活が始まった。いや、朝食はリンゴしか食べられなかった。それでも、今は、なんともない。クーラーの効いた教室で、防寒対策にジャケットが手放せないけれど。 

*1:ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417