「いい雨ですね、たまにはね、梅雨だから、、、」

 と、ご近所のYさんはおっしゃった。朝、ゴミを出しに行くとき、ご挨拶をしたら、家庭菜園の脇で、傘を差しながらニコニコおっしゃる言葉が弾むようだった。たぶん、本当に心の底から喜んでいらっしゃるのだろう。植物たちには慈雨に違いない。
 大雨警報による臨時休講を望んでいた子たちは、どうしているのだろう。注意報をうらめしく聴いたことだろう。道路交通法の改正が周知徹底されたのだろうか、傘をさしながら自転車をこぐ子どもが減った。みんな合羽を着て、朝から重い気分で学校に行ったのかしら。
 親馬鹿な僕は、僕から誘って娘を車で送っていった。昨夜、自宅で数学の質問を受けたとき、もう少し丁寧に教えてやるべきだったかもしれない、という後悔があって、つい、今朝は甘くなった。いつまでたっても新米・素人・非熟練の父親。