昨日は

 ぼーっと昼頃目覚めて、娘の数学の問題を手伝ってやろうとしたら、「およよ、何だこれ」と、ひらめかない。焦れば焦るほど迷路にはまる。「持ってきてごらん、教えてあげよう」と言った手前、娘より先に解かなければしめしがつかないのに解けない。
 「ソファに座っているから解けないんだ。机につけば一発だ」「このボールペンが気に入らない。いつものやつなら即解答してやる」と、言い訳ばかり心に浮かんでくる。集中力はどこまでも拡散し、一点に収束しない。
 それでもなんとか突破口を切り開いて、第1問は娘より先に解答できた。第2問はほぼ同着だったけれど、僕に計算間違いがあり、彼女の方が正確だった。第3問は圧倒的に彼女が速かった。ひらめき勝ちである。
 やれやれ、『灘の入試問題』は鬼門だね、衣冠束帯を調えて、乾坤一擲、気合を入れて立ち向かわないと、こっちが粉砕される、そう思ったことであった。