小5

 遂に「速さ」突入。時速・分速・秒速の単純計算だけれど、計算力の差が歴然とする。暗算の得意な子が瞬く間に正解をたたき出す一方で、筆算依存症の子達は、地を這うようなスピードで計算と格闘している。焦るまい、慣れの問題にすぎない、時間をかけてじっくり慣れて行けば必ずスピーディに計算処理できるようになる。鉛筆の握り方から力みが消え、手首の動かし方、ひじの使い方、肩の筋肉の使い方まで変わる。いや、まさにそうした身体性が、計算力そのもの、思考力そのものの体現になっているんじゃないだろうか。硬直した思考に陥りやすい人間の鉛筆の持ち方と、柔軟な思考力を有する人間の鉛筆の持ち方は決定的に異なっているように思う。意外と、考え方が身体性を決めるのではなく、身体性のあり方が考え方を規定しているということはないのか。
 歴史のちょっとしたテストをしたら、予想通り全員居残り再テスト。こうして彼らは事件を覚え、人物を覚え、歴史の流れを把握していくのだろう。