夕方、授業準備に追われていると、
「先生、受かった」とドアを開けた瞬間に、僕の顔を見るやいなや涼やかな微笑で少年が告げた。
「おう、おめでとう!」
数分後、入室カードを手にした固い表情の少女に努めてクールに「どうだった」と聞くと
「うかりました」と破顔一笑。
「よっしゃぁ!」と今年の雄叫び一発目。
その数分後、机にカバンを置いている別の少女に隣りの教室から、親指と人差し指で丸を作ってサインを送ると、
にこっと笑って、同じように指で丸印。OK、OKの笑顔。
そして、また、数十分後、電話。
「先生、受かりました」
「おめでとう、予定通りね。今夜はみんなでお祝いしてください!!」
おかげさまで四名全員合格。
2007年中学入試ファースト・アタックだったので、何が起きても冷静でいられるように覚悟は決めていたけれど、杞憂に終わった。ありがたいことだ。彼ら、彼女らに心から感謝したい。