その後

 「先生、そんなに後悔してちゃ、これから先、生きていけないよ」と小5の生徒が言った。「私なんて、絶対に後悔なんかしないもん」
 「先生、夜も休めばよかったのに」と中3の生徒。
 LECにおきた大事件の中でも、三本の指に入る今朝の僕のミスを耳にした生徒たちは、それぞれ感想を述べる。ただし、みんななぜかうれしそうにニコニコしている。
 
 小6の適性検査対策に暗雲がたちこめている。とにかく文章が書けない。「あなたの身の回りの経験をもとにして」という条件をつけると、確実に思考が止まる。どんな経験でもいい、何かあるだろう、と水を向けても、逆さに降っても、何も出てこない。見事に無反応。茫然自失状態。
 何か書いてある、と思ったら、これまた見事にトンチンカン。設問の趣旨を踏み倒して、勝手に暴走して、感想文らしきものをでっち上げている。「冗談じゃない!」と踏み込んでも踏み込んでも、ワンパターンの支離滅裂文を気合もろとも書き下している。「待てよ、待ってくれよ、何が言いたいんだこれは?」の連発。
 読む。理解する。考える。書く。再読する。再考する。一連の過程がぜんぜんつながっていなくて、とにかく腰が浮いたまま、右往左往している状態。
 まぁ、はじめはこんなものだ、で、去年までは終わりにしてきたけれど、今年はそうはいくまい。