アドバイスのこと

去年だったか、その前だったか、ネットで拾った文章を偶然再読していると、ドキッとして、クスッとした。以下、引用

アドバイスについて。誰に忠告を求めるかについては、注意が必要。忠告をくれる先輩諸氏には忍耐を持って接するべき。なぜなら、アドバイスとは、「私ならこうする」という自己愛とノスタルジーから来ている場合が多いからです。若い人に教訓を垂れる作業は、自分が後生大事に取っていたガラクタをつまみだすことと同じ。ほこりをふき取り、都合の悪いところにはペンキを塗り、実際以上に価値のあるものようにごまかすものだ。人のアドバイスには警戒しなさい。

なんと的確な「アドバイス」でしょう。

出典は「シカゴ・トリビューン」紙のコラムニスト、メリー・シュミック氏の有名な「卒業式のスピーチ」から。
実はシュミック氏の創作コラムとして書かれたものが、カート・ヴォネガット氏がMITの卒業式で実際におこなったスピーチとして誤って流布し、一気に広まったといういわくつきのもの。これにまつわるエピソードには事欠かない。このスピーチ、歌にもなった由。
興味のある方は、是非、全文をどうぞ。ウィットに富んだ辛らつな批評が笑える笑える。MITが、コラムが有名になった翌年、シュミット氏とヴォネガット氏を本当に卒業式に招いたっていう事実もいい。

高校生は今夜も苦難の(?)の模擬試験が続く。
苦い現実を知るのは早いほうがよい。失敗も挫折も不可避の年頃に、彼らに問われているのは、失敗や挫折を乗り越えていく力量なのだから。