新しい火曜日

中3S 新しい試み。中学生用の単語集が完結したので、高校生用のものに変えた。例年なら、反復して活用するところ、今年は、さっさと次へ進むことにした。なんといっても、まっさらなテキストを使うとモチベーションが高まる。クラスの構成メンバーは、英検準2級保持者が大半を占めるので、対英検2級を考えると、高校生用テキストが内容的にふさわしい。すでに数学は高校生用テキストを使用しているので、釣り合いをとりたい。
早速、10分間で25個のフレーズを覚えるように指示して、スパンとテストをしてみたら、なかなか優秀な結果が出た。ほぼ20個以上の正答率だった。こうした高度な集中力を瞬間的に発揮できる力を、誰もが駆使できるわけではない。持って生まれた資質と、日常的な訓練の賜物であると思う。もちろん、長期記憶に保管して自由に出し入れできる知識に定着できるかどうかは、のちのちのフォローが必要になる。瞬間的に記憶したものを長期的に保持する力はまた別の話だ。
中に、10個しか覚えられない子がいた。ではこの子は暗記力が弱いのか。そうではない。場の流れに乗れなかっただけの話だ。新しいテキストを渡される。いきなり10分間で最初の25個を覚えろって指示される。こうした急展開を不得手にする子は多い。ルーティンとして確立した動作なら、安心して取り組み、よい資質を十二分に発揮できても、予想外の展開なのかで、いきなり要求されても上手に対応できないで、焦り、混乱し、集中できないまま終わる。
状況適応力と呼ぶと大げさだが、子どもらの学習能力を考える時に、もっと考察されてよい力がある。プチパニックに陥りやすい子には、ふだんから、意識を平静に保ち、集中力を瞬間的にあげるコツを教えておく必要があるだろう。
10個しか覚えられない子は、いったん高集中状態に入れば、それを2時間近く維持できる持久力をもつ。集中力も多様で、子どもによってその形態はさまざまだ。得意なところで勝負できるように導き、不得手なスタイルを克服する処方箋をきちんと提示出来るかどうか、それが塾屋の務めになる。