夜が明けた

3B-12の病室にも朝が来た。酸素吸入率の低下した母は夜通し荒い呼吸で、喉に濁る音が絶え間なかった。定期的なリズムが乱れる度に、はっとしては飛び起きることを何度も繰り返すうち、深い眠りに落ちていた。看護師の方の巡回で目覚め、朝が来たことを知った。午前5時、酸素吸入率は75パーセントに落ちていた。痰を吸引し、呼吸に合わせた横隔膜の押圧も繰り返したけれど効果はない。なすすべもない付き添いにできることは、木偶の坊よろしく部屋の隅でおろおろしながら、見守ることだけだった。
 看護師の方の経験が生きる。二人がかりで母の体の向きを二度三度変え、上体の角度にも動きと変化を加えたところ、数字が劇的に上がる。
 対処療法にすぎないことは明白でも、今、苦しむ母を何とか楽にしてくれようとする姿勢が嬉しい。
 
 九回裏、ツーアウトランナーなし、大差の前に心もすくむ。しかし、果たすべき務めがそこにある。

09:56
母の意識がもどりません。勝手ですが、塾を月曜日までやすみます。
火曜日から再開予定とします。
ご了承ください。

0:55
息をひきとりました。

最後までよくがんばってくれました。

臨時休講を電話連絡できなかった皆様申し訳ありません。
伏してお詫び申し上げます。
授業・テストの振替については火曜日以降、メール、ブログにて連絡いたします。
ご迷惑をおかけします。
すみません