「贅肉マン」

 小6の生徒にそう呼ばれている。「ヤマトの諸君、私がデスラーだ」と言ったとたん、「ぜーいにーくまーん」という反論がかえってくる。そこで、僕が腹の肉をつまんでみせると、「おぇー」という至極最もな反応がある。まったく意味のない僕と子どもらの儀式、学力テストを受けるという緊張感は微塵もない。もっと煽ってテンションを高めて、悲壮な決意で試験に臨むべきなのだろうか。僕はそうは思わない。無駄なプレッシャーをかけていい気になるのは、虐待嗜好の権威主義者が自己満足でおこなう行動であって、まともな人間のとるべき行動ではないだろう。土曜日に附属の入試問題演習をした。日曜日に私立中の入試問題演習をした。そして、月曜日は学力試験。ちょっと子どもらを笑わせることが必要だと誰だって思うだろう。